中国史最新情報(7)
政治に翻弄される文化財 中台2つの故宮博物院、初の合同展示(産経新聞)
<内容>
中国歴代皇帝の文物や芸術品などを所蔵する北京と台北の2つの故宮博物院が、中台分断後初めての共同展を10月7日から台北で開催することが決定した。
中国各メディアが14日に伝えた。
今回の共同展は、昨年5月の馬英九政権誕生以後の両岸関係改善を象徴する一方、中華文化を台湾で強調し、文化面で中台一体を推し進めようとする中国側の思惑も見え隠れする。
清朝初期の皇帝「雍正帝展」と題される今回の共同展には、雍正帝の書物、硯などのほか、当時の美術品、書道、絵画作品など計246組が展示され、そのうち37組が北京の故宮が提供したものだという。
台北の故宮で2010年1月10日まで開かれる。期間中に開かれる清朝文化などに関するシンポジウムには両岸の考古学者らが多数出席する。
1925年に創設された故宮博物院は、明、清の皇帝の宮殿だった紫禁城の中にあり、もともとひとつしかなかったが、国民党と共産党の内戦で劣勢となった国民党の蒋介石政府は48年末から49年にかけて、故宮の中から約3000箱の文物を船などで台湾に運び、台北市内にもうひとつの故宮博物院を建設した。
戦乱の中で、莫大なコストをかけて大量の文物を台湾に運んだのは、中国の歴代の皇帝の収蔵品を押さえることで、中華民国政府の正統性を示したい蒋氏の政治的な思惑があったと指摘される。
現在、北京の故宮には150万点の所蔵品があるのに対し、台北は65万点しかないが、晋の書家、王義之の「快雪時春帖」など多くの国宝級の文化財が台北の故宮に収蔵されており、2つの故宮はいずれも外国の観光客の間で高い人気を誇っている。
2つの故宮の交流、共同展を開くことに関しては、中国側はずっと積極的だった。
中国紙、南方週末などによると、北京の故宮は、両岸の政治・経済関係が停滞していた88年から台湾側に、清の乾隆帝の文物を無料で貸し出し台湾で展示会を開きたいと打診していた。
文化を通じて両岸直接交流の突破口にしようと目論んだためだが、当時の李登輝政権から回答を得られなかったという。
その後、台湾で独立の機運が高まり、中国色を払拭したい一部の民進党の立法委員(国会議員)が90年5月に、「故宮の文物を中国に返す」ことを提案し、大きな話題となったこともある。
10月に訪台し共同展の開幕式にも出席する予定の北京故宮博物院の鄭欣●(森の木が「水」)院長は「今回の共同展は雍正帝時代の貴重文化財が再び一緒に集まるだけではなく、両岸の民衆が中華文化を広げるという共同の歴史使命を担っていることの証明でもある」との談話を発表、文化面で台湾を取り込みたいとの思惑をにじませた。
<感想>
“華史記”執筆者の斥奉です。
中国の国宝級の文化財が台湾に数多くある事実、そして歴史的な背景が一定の解決をみない限りは、これらの文化財が危機に晒されていると理解しなければならないのではないでしょうか。
両者のみならず、人類にとっても貴重な文化財だけに、今後の展開に注視したいです。
“華史記”へ。
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